環境破壊などの地球規模の問題から、いじめ、虐待・暴力など人間関係のゆがみ、将来に希望が持てない若者など、先の見えない不安がとりまく現代だが、この作品を鑑賞した人が、自然-地球-の美しさに気づいたり、人間の素朴さ・勇敢さを感じたり――、そして自分自身の内面を見つめなおすきっかけとなってくれれば嬉しく思う。
写真家・佐藤傳次郎氏のフィルム・スライド上映に合わせ、ミュージシャン・KAZZが生演奏を繰り広げる。映像のBGMとしての音楽ではなく、あるいは演奏のためのイメージ映像でもない。映像と音のコラボレーション、つまり「ライブフィルム」という独自のスタイルを取ることによって、観客との一体感がより強まる効果を上げる。フィルムは約40分。
(2) 概要
佐藤氏は30年以上にわたり、波やサーファーを撮影してきた。同作品はこの集大成ともいえるフィルムで、自然や人間の描写を通し、まさに「MANA」(万物に宿る根源的エネルギー)を表現。「伝説のサーファー」と呼ばれるカリスマ的存在ジェリー・ロペス氏が主演、ナレーション、彼自身の言葉で人と自然の調和を訴える。
映像の流れに乗って、KAZZがギターやジャンベ(アフリカの太鼓)、カリンバ(親指ピアノ)、などを多重演奏。生演奏によって臨場感が高まり、映像もいっそう迫力を増す。
(3) 実績
同プロジェクトの発端は、2006年10月にハワイ カウアイ島で開かれたルイ・ヴィトン インターナショナルフィルムフェスティバルで特別作品として「MANA」が2日間オープニングで上映されたこと。これを皮切りに、日本国内各地を巡り、2008年までの2年間で公演はすでに100カ所を超える。屋内外のイベント会場のほか、保育園や学校などで行っている。